9日、新宿区が新型コロナウイルスに感染した区民に対して10万円の見舞金を支給するとの報道がありました。
新宿区の感染者は9日までに約900人が確認されており、そうしたなか、新宿区が打ち出した独自の政策が波紋を広げています。
感染によって働けなくなった人の生活を支援する目的で、見舞金として10万円を支給することを決めましたとの事です。

しかし、ネット上では
「10万円目当てで、ホストが検査しているのでは!?」
「夜の街の関係者が見舞金目当てに積極的に検査を行っているのでは?」
といった物議を読んでおり、

作家の百田尚樹氏も、SNSで『新宿ではコロナに感染すると10万円貰えるらいし。これって「コロナにかかると儲かるよ」という施策?』と疑問を投げかけております。

さらに、高須クリニックの高須克弥院長も百田氏のコメントに対して「愚策だと思います」とコメント、作家でジャーナリストの門田隆将氏も「本日の東京の感染者は224人。私は新宿区民だが”10万円の見舞金”に恐怖を感じる。若者が『コロナに罹れば10万円もらえる』と夜の街に繰り出さないか。いわば”感染奨励金”。少なくとも感染者を減らす策ではない。世界最大の歓楽街・歌舞伎町を抱える新宿区は何を考えているのか」と異論を唱えております。

新宿区によりますと、そもそも見舞金は医療従事者などへの支援が目的だったといいます。現在、支給が決まっているのは約240人で、その多くを医療従事者や公務員が占めているといいます。

一方で、夜の街関係者が検査を受ける呼び水になっているのではないかという考えについては『副次的な意味で経済損失を被るのであれば尻込みする人もいるかもしれないし、(見舞金で)補填されるのならPCR検査を受ける意識を喚起する、見舞金は緊急事態宣言が出された4月7日時点で新宿区に住民登録している人が対象で、これから新宿区に移り住んでも給付の対象にはなりません。』とコメントしております。

10日時点で、東京都は過去最多となる243人の新型コロナウイルス感染を確認、2日連続で200人を超えました。
新たに舞台の出演者や客のクラスターも確認されており、東京都によりますと、243人のうち20代と30代が7割以上を占めました。
接待を伴う飲食店の従業員や客は110人で、その多くが新宿区で確認されています。
また、新宿のホストクラブ6店舗の集団検査で47人の感染が確認されたということです。
さらに、今月5日まで新宿区内の劇場で公演していた舞台のスタッフや客など10人の感染が確認されました。
この舞台を巡っては、これまでに出演者や客など4人の感染が判明していて、新たなクラスターとなっています。
東京都は観客に対して発熱や倦怠(けんたい)感といった症状がある場合はすぐに近くの医療機関などに相談するよう呼び掛けています。