臭いと脱臭の基礎知識 《便利屋本舗世田谷・目黒店》

人間が“におい”を感じるのは“嗅覚”

人間の五感の一つである嗅覚。その嗅覚は、人間の精神を大きく司る感覚です。人間の精神を大きく司る“におい”は同様にして“臭覚”として感じるのでしょうか。

人間が“におい”を感じる“三大条件”があります。
①官能基（有機化合物の特性を示す原子または原子団）があること
②分子量（サイズ）が17～300であること
③親油性（油や非極性溶媒に溶けやすい性質）か親水性（水に溶けやすい性質）であること

“におい”の区別・表現

【快適を与える“におい”】

表現：匂い、香り、香料、芳香、香気

対象：森林・香水・果物・芳香剤・草花…

【不快を与える“におい”】

表現：臭い、悪臭、臭気

対象：ゴミ・体臭・腐敗臭・かび臭・糞尿臭…

【快・不快両方で用いられる“におい”】

表現：におい、ニオイ

対象：食品・ペット…

悪臭物質２２の臭気強度

ご存じですか？人間が不快と感じ、生活環境を損なうおそれのある物質である“悪臭物質”を悪臭防止法（政令）で指定して厳しく規制しています。

アンモニア、メチルメルカプタン、硫化水素、硫化メチル、二硫化メチル、トリメチルアミン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ノルマルブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ノルマルバレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、イソブタノール、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、トルエン、スチレン、キシレン、プロピオン酸、ノルマル酪酸、ノルマル吉草酸、イソ吉草酸

※トリメチルアミン・メチルメルカプタン・ノルマル酪酸・イソ吉草酸は孤独死・孤立死現場で発生する死臭の原因物質であり、特殊清掃での消臭・脱臭にはこの４物質が主な対象となります。

“におい”の感度

“におい”には個人差があります。そして、“におい”の感じ方はいつも同じではありません。

【状況で違う】

低濃度でも感じることがある反面、同じ“におい”をしばらく嗅いでいると感じなくなり、疲労、順応しやすくなります。

【年齢で違う】

２５歳～３４歳の年齢層の女性（とくに未婚の女性）が最も感度が敏感であると言われています。そして、その感度は加齢とともに低下し、６０歳を過ぎると著しく低下します。

【経験や体調で違う】

人間の嗅覚は極めて主観的であり、経験やその時の体調によって大きく変化します。

【職業で違う】

一般人に比べて、調香師は1000倍の嗅覚を持っていると言われています。

さまざまな脱臭・消臭方法

【換気・拡散（放出）させる】

換気扇などで“におい”を野外に放出させる

【中和させる】

植物抽出油を用いて“におい”を中和させる

【マスキング（隠す）する】

悪臭よりも強い芳香（芳香剤・香水など）を発生させ、“におい”を隠す。

【殺菌（腐敗防止）】

生ゴミなどを腐らせるバクテリアを殺し、腐食を防止する事で悪臭の発生を抑える。

【吸着（集める）】

悪臭の成分を吸着（活性炭など）して除去させる。

【分解（酸化）】

強い酸化作用で悪臭成分を無臭成分に分解する。

脱臭法の基本知識

【洗浄法（水洗法）】

原理：臭気成分を水に溶解・吸収させ除去する

特徴：多量の水と排水処理が必要であり、処理水からの発臭にも注意が必要である。

【洗浄法（薬液洗浄法）】

原理：臭気物質を薬液（酸、アルカリ、酸化剤）と接触させ、化学的中和や酸化反応により、無臭化する。

特徴：霧やちり・ほこりも除去でき、底・中濃度の水溶性臭気成分の処理に適している。

【吸着法】

原理：活性炭などを利用し吸着除去する。

特徴：固定床回収式・流動床回転式・ハニカム式濃縮装置・固定床交換式などがある。

【オゾン脱臭法】

原理：オゾンガスを臭気成分に混合させ、臭気を酸化分解させる。オゾン水による気液接触方法もある。

特徴：高い脱臭効果が安定して得ら、水・薬品・燃料を使用しない為、残留性・残臭の問題がない。

【光触媒脱臭法】

原理：酸化チタン光触媒に紫外線を照射すると触媒表面にＯＨラジカルやスーパーオキジドイオンが生成され、悪臭分子とそれらが接触するとその強い酸化力により、分解させる。

特徴：光エネルギーを利用して臭気を分化させる為、薬品や燃料が不要で環境負担が小さく、希薄な臭気の処理に適する。ただし、技術的な問題点もあり、開発途中の技術といえる。脱臭効果も届く範囲に限定される。

【プラズマ脱臭法】

原理：臭気物質を含んだ被処理空気中で高周波放電を行ない、活性分子、ラジカル、オゾンを発生させ、その酸化能力により、臭気を分解させる。

特徴：薬品を使用せず、廃棄物も出ないので環境負荷が小さい。放電の消費電力も小さく、ランニングコストも安いが、適用出来る濃度範囲が低く、引火性のガスには適していないなどの問題やメンテナンスにも手間がかかる。

【消臭・脱臭剤法】

原理：消臭・脱臭剤を臭気に噴霧したり、堆積物などに噴霧したりして感覚的に臭気を和らげる。

特徴：一般に、薄い臭気に有効である。芳香剤を用いる場所には強くなりすぎないよに注意が必要である。

【希釈・拡散法】

原理：臭気を希釈する事により、人間の嗅覚を不快と感じられいレベルまで低下させる。

特徴：希釈により不快性が低下する臭気に有効。小発生源で底濃度臭気に適している。

臭気の評価方法

臭気の評価方法には、機器分析法と嗅覚測定法の２種類があります。どちらも一長一短があり、使い分けが必要です。

【ニオイセンサー法】

メリット　：安価で、誰でも測定出来る。

デメリット：全ての物質を拾ってしまうので定量評価が難しい。

【検知管法】

メリット　：安価で、誰でも想定出来る。単一物質の定量測定が可能。

デメリット：高濃度向きであり、底濃度の測定には不向き。

【ガスクロマトグラフィー法】

メリット　：物質毎の微量の濃度がわかる為、定量評価が可能。

デメリット：高価

【臭気判定士（国家資格）による測定法】

メリット　：安価

デメリット：第三者測定でないと信憑性に欠ける。

【三点比較式臭袋法】

メリット　：定量評価が可能

デメリット：底濃度だと数値が乗らなず、ガスクロマトグラフの次に高価である。