米軍採用の2分以内に眠りにつく方法をご存知ですか!?

この「2分以内に眠りにつく方法」は、第二次世界大戦中にアメリカ海軍によって研究・開発されたものなんです。

第二次世界大戦中、兵士の多くが、戦闘から受けるプレッシャーとストレスによって衰弱し、その結果「友軍機を誤って撃墜する」「本来なら回避可能な状況で撃墜される」などの事例が多く報告されるようになりました。

原因は、兵士は、戦場においては常に高いプレッシャーとストレスを抱えており、そのストレスが原因で寝れない兵士が続出した為でした。

戦場においても、無論、疲労の回復、集中力の維持、精神の安定など睡眠は重要な事でした。

アメリカ海軍は兵士たちのストレスを緩和させる必要性に迫られ為、研究し開発したのが「2分以内に眠りにつく方法」なのです。

その睡眠に悩んでいる兵士に対して行われた「2分以内に眠りにつく方法」の効果は、なんと、その睡眠に悩んでいる兵士の96%が2分(120秒)以内に眠りについたと言うのです。

この「2分以内に眠りにつく方法」を研究・開発はバド・ウィンター教授です。

バド・ウィンター教授は大学で心理学を務める一方で、戦前から陸上選手のコーチも行っていた方でした。

バド・ウィンター教授は「睡眠は肉体的にも精神的にもリラックスしている状態である」と定義し、「あらゆる状況下で、昼夜問わずいつでも2分で寝ることができるようにする」ことをトレーニングの目的に設定し、「肉体的にリラックスする方法」と「精神的にリラックスする方法」の2つを兵士たちに伝授しました。

戦争のストレスを解消するために開発されたリラクゼーションのプログラム

1.肉体的にリラックスする方法

「人は力を抜いて下さい。」と言っても実は、完全に力が抜けている訳ではありません。
無意識ではあるが、力が入っている状態が起きています。
その力を完全に抜く方法は、一度思いっきり力を入れる方法です。
例えば、手のひらの力を抜きたければ、手を強く握り力を入れます。その後、力を抜くと、自然と力が抜けるのです。
その際、呼吸も大事で吸っている時に力を入れ、息を吐くと同時に力を抜くと効果的です。
つまり、その方法を体全体で行うという事です。

まずは、椅子に座り、机の上に足をのせて、両膝を離して水平に伸ばし、手は膝の間に置きます。
目を閉じて、顎を胸の上にのせるように引きます。
ゆっくりと深く、定期的に深呼吸しながら、顔の筋肉は全て緩ませるように意識します。
眉間にシワを寄せず、舌や唇さえもリラックスさせ、目の周りの筋肉にも力を入れないように気をつけます。
そして、肩から力を抜いて、首の後ろの筋肉がマヒしそうなほどぐったりと落とします。
自分は「椅子の上に垂れるクラゲ」だとイメージしながら、深呼吸とともに全身の筋肉をゆるませます。
左右の上腕・ふくらはぎ・ふとももなど、全ての筋肉へ順番に語りかけるように、意識的に力を抜いていきます。
この時、一度、全身の筋肉にぐっと力をこめてからわざと緊張させてから緩めます。
これらを繰り返しながら全身をゆるませたら、最後に3回ゆっくりと深呼吸を行います。
これで肉体が完全にリラックスでき、睡眠状態に移行する準備ができるとの事です。

2.精神的にリラックスする方法

ウィンター教授は、「肉体的にリラックスすることさえできれば、10秒で眠ることができる」と主張しております。

ただし、その10秒間で「動きのあること」について考えるのはよくないそうです。

例えば「腕を動かす」イメージを脳内で行うと、実際に動かしていなくても腕の筋肉は緊張してしまうとのことで、動きのあることをイメージすると肉体的なリラックスが失われてしまいます。

動きのあるイメージを排除するために、ウィンター教授によるトレーニング・プログラムでは以下の3つのイメージトレーニングが提案されています。

・春の日に、静かな湖の上でカヌーに横たわって青空を見上げている様子をイメージし続ける。

・闇の中で巨大な黒いハンモックに揺られている状況をイメージする。

・自分に『何も考えてない』とひたすら言い聞かせる。

どれも10秒以上、継続して行うことが重要だとの事です。

認知シャッフル睡眠法

リラックス法については、認知シャッフル睡眠法と言うものもあります。
カナダのサイモン・フレーザー大学のリュック・ボードワン博士が発明された睡眠法で、寝るときに考え事をしてしまうと寝付けなくなってしまう経験は、どなたでもあるのではないでしょうか?
この認知シャッフル睡眠法とは、頭の中でランダムな言葉から連想される情景を頭の中で次々と思い描いていくことで脳の活動を和らげ、眠りにつきやすくする睡眠法で、海外で話題となり、多くの方がこの睡眠法で眠気を感じるようになったとの事です。

・まずは、単語は何でもかまわないので、簡単な単語をひとつ思い浮かべる。
 ※ストレスを感じない言葉が良い。例えば「さくらんぼ」など

・「1文字」目から始まる単語を思い浮かべ、映像をイメージする。
 例えば、「さくらんぼ」の最初の文字「さ」から始まる単語を思い浮かべ、「さとうきび」そして「さとうきび」の映像も思い浮かべます。
 次に、「さとうきび」以外の「さ」で始まる単語を思い浮かべる。注意すべきは、先ほどの「さとうきび」とは無関係なものを思い浮かべて下さい。思い浮かべる言葉は互いに関連しないように注意し、「さとうきび畑」とかつながった話にならないように注意してください。
 続いて同様に「さんぽ」「さばく」「さけ」……と次々に「さ」で始まる単語を思い浮かべていく。

・ 続いて「2文字」目から始まる単語を思い浮かべ、映像をイメージする
 「さ」から始まる単語が出てこなくなったら、次に「と」から始まる単語を探して、同様に映像をイメージします。
 そのイメージシャッフルを行っていくと、不思議なくらい、スーーッと眠れるようになります。
 初めのうちは、つい別のことに意識が行ってしまったりすると思いますが、そのうち慣れます。

「2分以内に眠りにつく方法」の効果

海軍学校では、リラックスのトレーニングを受けるコースと、徹底的に精神を鍛えるコースの2つに分けて、比較テストが行われました。
その結果、リラックスのトレーニングを受けたコースの方が、さまざまなテストや訓練において良い成績を出していたそうです。
そして、6週間のトレーニングによって、兵士たちの96%が2分以内にいつでもどこでも寝ることができるようになったとのことです。
さらに、コーヒーを飲んだり、爆音や砲火でうるさい状況下でも、すぐに眠りにつくことが可能になったそうです。

この驚くべき睡眠法は私も実践しております。

会社も戦場です。

プレッシャーとストレスで不眠に悩んでいる方、ぜひ、試してみて下さい。

追記

戦後にウィンター教授は自分がコーチを務める陸上競技の選手へ、この「2分以内に眠りにつく方法」と同じリラックス法を伝授し、そのかいもあってか、ウィンター教授はオリンピックにおける陸上競技のアメリカ代表を27人も輩出し、今なおアメリカ陸上界における伝説のコーチとして知られております。