新型コロナウイルス対策によりマスクを着用が求めらております。

マスクを着用しない人に対して、厳しい視線が注がれる昨今、気温・湿度の高い中でのマスク着用は、熱中症の危険があります。

「屋外で人と十分な距離(2メートル以上)を確保できる場合はマスクを外す」「マスクを着用している場合は、負荷のかかる作業や運動を避ける」といった対応が必要となります。

今夏は、例年以上に水分補給をこまめにするなど、熱中症予防に留意をしてください。

熱中症を疑う症状とは

  • めまい・顔のほてり・立ちくらみ
  • 手足の筋肉がつる(痛みを伴う)
  • 大量に汗が出たり、全く汗をかかないなど汗のかきかたがおかしい
  • 頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐・体がだるい
  • 意識がない・けいれんがある
  • 体温が高い
  • まっすぐ歩けない・水分補給ができない

「マスクで熱中症リスク高まる」

熱中症に詳しい日本医科大学大学院の横堀將司教授は「マスクによって一概に熱中症になりやすいということではないが、マスクを着けると呼吸がしにくくなり、心拍数や呼吸数が1割ほど増えるというデータがある。そこに運動や気温の急激な上昇が加わると、熱中症になるリスクが高まる」と指摘しております。
気温・湿度の高い中でのマスク着用は要注意です。
口の周りの湿度が上がることで、のどの渇きを感じづらくなり、熱中症や脱水のリスクが高まります。
屋外で人と十分な距離(2m以上)を確保できる場所では、マスクを外すようにしてください。
マスクを着用している時は、負担のかかる作業や運動を避け、周囲の人との距離を十分にとった上で、適ますくをはずして休憩をとるようにしてください。

熱中症対策の基本

■塩分(ナトリウム)を入れた水分補給を…真水のみの補給は厳禁

ナトリウムが不足すると熱疲労からの回復が遅れるので、適度に補う必要があります。
汗にはナトリウムが含まれており、汗からは水分と同時にナトリウム(塩分)も失われます。
大量に汗をかいてナトリウムが失われると、水だけを飲むと血液のナトリウム濃度が薄まり、この状態になると汗をかく前の体液の量を回復できなくなり、熱中症の原因となります。
体の状態によって必要な塩分の量は変わってきますが、暑さがひどいときは、0.1~0.2%の食塩(ナトリウム40~80mg/100mL)を含む補水液などを飲む。補水液は1Lの水にティースプーン半分の食塩(2g)を溶かして、自分で作ることも出来ます。

■ 体を熱さに慣れさせる

高温多湿の環境での体温調節能力に、暑さへの慣れ(暑熱順化)が関係する。
暑くなりはじめの時期から適度に運動(やや暑い環境で、ウォーキングなどのややきついと感じる強度の運動を、毎日30分程度続ける)する事で、身体が暑さに慣れるようになります。
しかし、外出自粛・感染対策で自宅で過ごす事が多くなったこの時期には、注意が必要です。
暑熱順化がうまくいかないと、急に屋外で活動すると、大量に汗をかき、脱水症状に陥る危険性があります。

■ 運動する時間帯にご注意を

運動や体を動かすときは、日中の暑い時間は避け、朝や夕方の涼しい時間帯を利用すると効果的です。
天気予報をみて、気温が上昇したり湿度の高い日、特に午前11時から午後3時の時間帯の運動は避けて下さい。
気温が上がると心拍数が増えるので、運動中に心拍数がいつもより高い場合には休憩するなどの行動をとってください。
ウォーキングなどの運動を行うときは、木陰で休憩を取りながら行ってください。

■ 準備は十分に 服装に注意

適度な休憩、十分な水分補給が大切ですが、服装にも注意が必要です。
熱中症を予防するための服装として、吸湿性や通気性の良い素材を使ったものを使用し、色の濃いものを身に付けるのを避けて、日傘や帽子をご利用ください。

■ アルコールを避ける

アルコールは水分補給の代わりにならないので注意が必要。アルコール飲料を飲むと体の脱水が促されます。
アルコールを飲むと、十分に水分補給したと思っていても、実際には体から水分が失われており、熱中症やケガを起こしやすくなります。

■ 薬を飲んでいる人は要注意

降圧剤である「利尿薬」は、尿を出して血液量を減らして血圧を下げる薬。利尿薬には水分を排泄する作用があり、脱水を起こすことがあります。
また、糖尿病の治療薬である「SGLT2阻害薬」は、血液中の余分な糖分を尿と一緒に排泄するため、脱水になりやすいという副作用があるようです。
こうした薬を飲んでいる人は、医師に相談して事前に対策をお願いいたします。