10月10日、富山県内のスーパーで販売されていた「サンマ」のパック内に30匹ほどの「アニサキス」が写る写真がSNSで話題となっております。

「アニサキス」=「さば」「イカ」と思われている方もいらっしゃるかと思いますが、「アニサキス」は魚類全般に生する寄生虫です。

「さば」「イカ」以外でも、アニサキスは無縁ではございません。

アニサキス(寄生虫(線虫類))[Anisakis]ってどんな生き物?
形態: 半透明な白色で細長い糸状。
体長: 約20~35mm
幅: 0.3~0.6mm
主な宿主と寄生部位:
・サバ、サンマ、アジ、カツオ、サケ、スルメイカ等、
・海産魚介類の内臓周辺、腹腔内、筋肉内
生息可能温度: -20℃以上40℃以下(低温に強い)

症状は?
食後、数時間~10数時間で、みぞおちの激しい腹痛、吐き気、嘔吐をおこします。
食後、10数時間~数日後に、激しい下腹部痛、腹膜炎症状を起こすこともあります。
本症による死亡例は報告されていません。

厚生労働省によりますと、去年までの3年間で、アニサキス食中毒の発生が一番多いのは、10月だといいます。

生の魚からアニサキスを完全に除去することは困難です。

スーパーマーケットのイオンなどを運営するイオンリテールさんでは、天然魚(ぶり・かつお・あじ・いわしなど)を刺身用冊やお造りで販売する場合、魚を3枚卸にして水産用の冷蔵庫で1時間以上冷やす「冷やしこみ」という作業をおこなっているとの事で、「冷やしこみ」によって、魚体内のアニサキスが発見しやすくなるのだと言います。
冷やしこみの後、アニサキス発見機(ブラックライト)と目視で魚体をチェックしながら皮引き、冊取りするなど手間がかかっているようです。
アニサキスではないが、かつおなどは腹のところにテンタクラリアが潜んでいることもあるようです。

テンタクラリアとは
かつおの内臓でよく見られる寄生虫で、乳白色で米粒のような形をしています。人の体内では無害で、食べてしまっても問題はないとされています。

アニサキスの主な予防方法
鮮魚を丸ごと一尾で購入したらよく冷やして持ち帰り、すぐに内臓を取り除く。
アニサキス幼虫は主に内臓の表面に寄生していますが、鮮度の低下や時間経過とともに筋肉(可食部)内へ移動する場合があります。このため、購入して持ち帰る際は、鮮度が落ちないよう、氷や保冷剤で冷えた状態を保つことが大切です。
また、魚の内臓を生で食べることは避けましょう。

秋の味覚サンマを楽しむ際にも、中心の温度が60℃以上で、1分以上熱すること良いかと思います。

迷信にはご注意を!
酢や塩、しょうゆ、ワサビなどの調味料では、アニサキス幼虫は死にません!
噛めば大丈夫、というわけではありません!
アニサキス幼虫はとても小さく、どこに潜んでいるかわかりません。
また、表面はなめらかで丈夫、かつ細い糸のような形状のため、噛み切ることは困難です。

皆様も十分ご注意ください。