家族などを自殺で失った人は、死別の悲しみに加え、相手の悩みに気付けなかったと自責の念に駆られて精神的に不安定になりやすくなります。

東京都は、2023年10月1日から、そんな自死遺族のサポート窓口を開設します。

窓口では、悩みを聞くだけではなく、死別直後に直面する手続きなどへの助言まで幅広くサポートしてくれます。

ぜひ、ご活用ください。

『とうきょう自死遺族総合支援窓口』

開設日

令和5年10月1日(日曜日)

対象者

身近な人を自死により亡くした方(親族、パートナー等)
※原則として都内在住の方(都内に通勤、通学、在住されていた方のご遺族等を含みます。)

受付時間

火曜日・水曜日・金曜日 15時00分~19時00分
日曜日 13時00分~17時00分
(いずれも、祝日を除きます。)

電話番号

電話 03-5357-1536

支援内容

電話による相談対応
(気持ちの受けとめ、必要な手続への対応に関する助言、専門の相談・支援機関への紹介 等)

その他

本窓口での相談は無料です(別途通話料がかかります。)。
匿名での相談も可能です。
相談内容については秘密を厳守します。

詳しくは、東京都公式HP『とうきょう自死遺族総合支援窓口を開設』ページをご覧下さい。

https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2023/09/14/22.html

「自殺」を「自死」の表現について

自死とは

「⾃死・⾃殺」の表現をめぐっては、「自殺」を言い換える表現として「自死」という言葉が使われております。

「⾃殺」という⽂字には犯罪を想起させるものがあり、亡くなった⼈に対しても、また遺族に対しても偏⾒や差別を助⻑すると、遺族を中⼼に「⾃死」に⾔い換えて欲しいという声があり、2013年3月には、島根県が県の「自殺対策総合計画」における表現をすべて「自死」に統一されました。
⼀部⾃治体では表現をすべて「⾃死」に統⼀する決定をしたと伝えられておりますが、評価する声がある一方で、十分な議論がないままに言い換えが進むことに戸惑いの声も多く聞かれます。

特定非営利活動法人全国自死遺族総合支援センターが作成した『「自死・自殺」の表現に関するガイドライン』では、⾃死・⾃殺の表現に関する3原則として、『⾏為を表現するときは「⾃殺」を使う』『多くの⾃殺は「追い込まれた末の死」として、プロセスで起きていることを理解し、「⾃殺した」で はなく「⾃殺で亡くなった」と表現する』『遺族や遺児に関する表現は「⾃死」を使う』と定めております。
現在では、⾃死遺族、⾃死遺児など遺族に関連した表現(つまり⼆⼈称の死を表す時)では広く使われるようになり、かなり定着してきております。

特定非営利活動法人全国自死遺族総合支援センターが作成した『「自死・自殺」の表現に関するガイドライン』を踏まえ、遺族や遺児に関する表現は「⾃死」の文言を用いています。

特定非営利活動法人全国自死遺族総合支援センター公式HP

https://izoku-center.or.jp/

 

⾃死・⾃殺の表現に関する3原則(「⾃死・⾃殺」の表現に関するガイドライン)をご存知ですか?

⾃死・⾃殺の表現に関する3原則(「⾃死・⾃殺」の表現に関するガイドライン)では以下の通り定められております。

(1)⾏為を表現するときは「⾃殺」を使う

⾃殺総合対策⼤綱には「⾃殺は、その多くが追い込まれた末の死」と定義されています。
これは 「⾃ら命を絶たなければならないほど追い込まれた末に亡くなった」状況を表すものです。
つまり、⾃殺は 「瞬間(点)」ではなく「プロセス」で起きているという理解が、その背景にあります。
従ってその「⾏為を防ぎ⽌めるための取組」は、「⾃殺防⽌」と表現すべきで「⾃死防⽌」という表現は 望ましくないと考えます。
同様に、⾏為を表現している「⾃殺未遂」「⾃殺企図」「⾃殺のサイン」等を、「⾃死未遂」「⾃死企図」「⾃死のサイン」等と⾔い換えることは適切ではないと思います。

(2)多くの⾃殺は「追い込まれた末の死」として、プロセスで起きていることを理解し、「⾃殺した」で はなく「⾃殺で亡くなった」と表現する

「⾃殺した」と表現すると「瞬間(点)の⾏為」が強調されて伝わりかねません。「⾃殺で亡くなった」 と表現することにより、その誤解を多少なりとも払拭できるのではないかと考えています。

(3)遺族や遺児に関する表現は「⾃死」を使う

あしなが育英会から⽀援を受けていた遺児たちが、2000 年に「⾃殺って⾔えない」という⼩冊⼦を発⾏し、その際、⾃らを「⾃死遺児」と名乗ったことがきっかけで「⾃死遺族・⾃死遺児」という表現が広まり、次第に社会的にも認知されるようになりました。
遺族に関する表現においては、「⾃殺」という⾏為⾃体が焦点となっているわけではないので、「⾃殺遺族」とする必然性もありません(「⾃殺防⽌」等とは異なる)。
遺族向けのリーフレット等においては、「⾝近な⼈、⼤切な⼈を⾃死で亡くした⽅へ」といった遺族の⼼情に配慮した表現にすることも⼤切です。「⾃死・⾃殺」「⾃死(⾃殺)」などと併記することも選択肢として考えられま す。